飼い猫が水を飲んでくれない?猫が水をあまり飲まない時の理由と対処法

飼い猫がなかなか水を飲まないことで、不安になったことはありませんか?

「水は命の源」とも言われるほど、体にとって重要な役割を果たしています。特に猫はもともと砂漠地帯にルーツを持つ動物で、他の動物と比べてあまり水を飲まない傾向があります。しかし、飲水量が極端に少ないと、健康に悪影響を及ぼす恐れもあるため注意が必要です。

この記事では、猫が水をあまり飲まない理由と、飼い主としてできる対処法について詳しく解説していきます。


猫が水を飲まないのは普通のこと?

猫は、もともと乾燥地帯で生きていたリビアヤマネコが祖先です。そのため、少量の水分でも生きていける体の仕組みを持っています。野生ではネズミや小鳥などを食べることで、水分をある程度摂取していました。これにより、あまり水を飲まなくても平気な体質になっているのです。

ただし、現代の飼い猫はドライフード(カリカリ)を中心に与えられることが多いため、水分摂取量が不足しがちになります。そのため、意識的に水を飲ませる工夫が必要になるのです。


猫が水をあまり飲まない理由とは?

猫が水を飲まない原因はいくつか考えられます。以下に主な理由を挙げていきます。

1. 食事内容によるもの

猫の食事がドライフード中心の場合、水分含有量はわずか10%程度しかありません。一方でウェットフードは約70〜80%が水分でできており、ウェット中心の食事をしている猫は、直接水を飲む必要が少なくなります。つまり、「水を飲んでいないように見えるけど、実はごはんからしっかり摂取できている」というケースもあるのです。

2. 水の置き場所が気に入らない

猫は非常に繊細な動物で、食器や水入れの置き場所にも敏感です。たとえば、トイレの近くや騒がしい場所、日当たりが悪い場所などでは、水を飲むのを避ける傾向があります。また、餌のすぐそばに水を置くことも、好ましくないとされる場合があります。自然界では「食事と水を別々に摂る」習性があるため、場所の工夫が必要です。

3. 水の鮮度や容器の素材が気に入らない

人間と同じように、猫も「おいしい水」「まずい水」を感じ取っています。古くなった水や、臭いがついた容器、洗っていない水入れでは、猫は口をつけたがりません。プラスチックの容器よりも、ステンレスや陶器の器を好む猫も多いようです。

4. 健康上の問題

飲水量の減少が病気によるものの場合もあります。口内炎や歯周病があると、痛みで水を飲むのが嫌になることがあります。また、脱水症状、腎臓病、糖尿病などの症状が現れる前兆として、水を飲まなくなる場合もあります。普段の様子と比べて明らかに変化がある場合は、早めに動物病院で診てもらいましょう。


猫にもっと水を飲んでもらうための工夫

猫の健康を守るためには、なるべく自然に水を飲んでもらう工夫が必要です。以下に効果的な対策をご紹介します。

1. 水の置き場所を工夫する

水入れを複数の場所に置くことで、猫が飲みたいときにすぐにアクセスできるようになります。また、落ち着いて飲める静かな場所、光が入る快適な場所など、猫がリラックスできる環境を整えてあげましょう。

2. 容器を変えてみる

プラスチック製の容器を使っている場合は、ステンレス製や陶器のものに変えてみると良いでしょう。また、平たい器よりも少し深さのある器を好む猫もいます。清潔さも大切なので、毎日洗って、新鮮な水を入れてあげましょう。

3. ウェットフードを活用する

普段ドライフード中心の猫には、時々ウェットフードを混ぜたり、ドライフードに水やぬるま湯をかけてふやかして与えることで、自然と水分を摂取できるようになります。市販のスープタイプのおやつも効果的です。

4. 流れる水を用意する

猫は流れる水を好む傾向があります。水が動くことで新鮮に感じるためです。ペット用の自動給水器(ウォーターファウンテン)を使えば、流れる水を好む猫にとっては飲水量がぐっと増えることがあります。電動で循環するタイプや、フィルター付きのものなど、いろいろなタイプがあります。

5. 気温や湿度に注意する

夏場は水分の消費量が増える一方、冬は寒さで水を飲む量が減りがちです。寒い時期には、ぬるま湯を入れてあげると飲みやすくなることがあります。また、加湿器を使って室内の湿度を保つことも、猫の快適さにつながります。


水を飲まない猫に注意したいサイン

猫が水を飲まないこと自体がすぐに危険というわけではありませんが、以下のような症状が見られた場合は、病気の可能性を疑いましょう。

  • ぐったりして元気がない
  • 尿の量が極端に減った(または増えた)
  • 食欲がない
  • 嘔吐や下痢が続いている
  • 口の中が乾燥している

こうした場合は、脱水症状や内臓疾患の可能性があります。なるべく早めに動物病院で診察を受けましょう。


まとめ

猫が水を飲まない理由は、体質や性格、食事、環境などさまざまです。しかし、飲水量が少なすぎると腎臓病や尿路疾患などのリスクが高まるため、飼い主として日頃から工夫と観察が必要です。

  • ウェットフードやスープの活用
  • 水入れの数や場所を見直す
  • 自動給水器の導入
  • 容器の素材変更や水の鮮度管理

こうしたちょっとした工夫で、猫の健康を守ることができます。大切な家族である愛猫が元気に長生きできるように、ぜひ今日から試してみてくださいね。