猫が布や段ボール、紐などを食べてしまう「ウールサッキング」の原因と対処法

猫のウールサッキングとは?

猫のウールサッキングは、布製品をしゃぶる、ボロボロにする、食べてしまうなどの状態を指します。ウール(羊毛)をサッキング(吸う)することから、この名前がついています。対象は布製品だけでなく、ビニールやヒモ、段ボールなども含まれます。ウールサッキングは「常同障害」の一つであり、ストレスや葛藤、欲求不満に対して、異常な頻度や持続時間で理解ができない行動をする問題行動です。

ウールサッキングの原因

ウールサッキングの原因は複数ありますが、以下の点が考えられています。

  1. 早期離乳: 乳飲み猫が母猫から離される「早期離乳」が要因の一つと考えられています。この時期に母猫の乳を断たれることで、ウールサッキングの行動が発症することがあります。
  2. ストレス: 精神的なストレスを抱えている猫も、心の安定を得るためにウールサッキングをすることがあります。環境の変化や他のペットとの関係などがストレスの原因となることがあります。
  3. 遺伝: ウールサッキングは遺伝的な要因も関与しているとされています。特に東洋系の純血種であるシャム、バーミーズ、バリニーズに多く見られます。
  4. 欲求不満: 食事や遊び、愛情などの欲求が満たされていない場合、ウールサッキングの行動を起こしやすいことがあります。
  5. トラウマ: トラウマを生じるようなできごとに遭遇した経験のある猫も、ウールサッキングをすることがあります。

飼い主の関心を引くために行っていることもあり、常同行動とは区別が必要です。ウールサッキングは年齢や性別、品種に関わらず発症します。特に子猫は遊びでやっている場合もあり、必ずしも異常ではありませんが、誤食には注意が必要です。

ウールサッキングの対策

以下は愛猫のウールサッキングを防ぐための対策です。

  1. 布製品を隠す: 猫の届かない場所に物を置くことで、ウールサッキングの対象を減らしましょう。留守番中はケージに入れて寝かせることも有効です。
  2. 安心できる環境を作る: ストレスを軽減するため、清潔な水やおいしい食事、適切なトイレ、爪とぎやおもちゃを提供しましょう。安心できる場所も必要です。
  3. 狩りを思い起こすような遊びをする: 猫じゃらしやおもちゃを使って狩りのような遊びをして、探求心を刺激しましょう。
  4. 無理に触らない: 抱っこが好きでない猫は多いです。無理に触らないようにしましょう。
  5. 薬やサプリメント: 必要に応じて獣医師と相談し、薬やサプリメントを検討することもあります。

愛猫のウールサッキングについて心配な飼い主様は、これらの対策を試してみてくださいね。

まとめ

ウールサッキングをしている猫は、布類が穴だらけになっていたり、段ボール箱が食いちぎられていたりすることが多いです。ただし、猫が隠れた場所で行っている場合、食べていても気付きにくいこともあります。愛猫の様子をよく観察し、ウールサッキングの兆候に気付いたら早めに対処しましょう。

動物病院での治療は、原因によって異なりますが、身体的な病気が隠れていないか検査が必要です。心の問題が原因であれば、不安を和らげる薬が処方されることがあります。